猿の惑星:創世記(ジェネシス)
奇抜な設定をリアルに表現
SF映画の金字塔である「猿の惑星」(1968年)は人間が猿に支配された世界を描いたが、これはその起源となる物語だ。奇抜な設定を現実に起こりうるリアルなドラマとして表現することに成功している。「アバター」の特殊効果のスタッフが最新技術を駆使し、視覚的にも見応え十分。監督はこれが劇場映画2作目のルパート・ワイアット。
アルツハイマーの新薬で高い知能を持って生まれたチンパンジーのシーザー。研究者のウィル(ジェームズ・フランコ)によって育てられるが、人間社会は彼を受け入れず、動物としての差別や虐待にさらされる。怒りと絶望の末、シーザーは人間たちに反旗を翻すことを決意する。
優れた身体能力を持つ動物が人間並みの知能を与えられた時、彼らはどんな生き方を選択するのか。自分たちの生命維持のため、平気で他の動物を犠牲にする私たちに、映画は警鐘を鳴らしているかのようだ。(2011年11月3日・のだ)