ステキな金縛り
幽霊が証人に 波乱の裁判劇
「THE有頂天ホテル」、「ザ・マジックアワー」と立て続けにヒット作品を生み出す三谷幸喜監督が満を持して送り出すハート・ウオーミング・コメディー。
失敗続きの新人弁護士エミ(深津絵里)は最後のチャンスとして、妻の殺害容疑で逮捕された男の弁護を引き受ける。ところが男のアリバイを証明できるのは、なんと落ち武者の幽霊・更科六兵衛(西田敏行)だけ。幽霊を証人にするという前代未聞かつ波瀾万丈の裁判が始まる。
裁判を通じて一人前の弁護士に成長していくエミの姿はエネルギッシュですがすがしい。そして幽霊なのにコミカルで人情味あふれる六兵衛。主演の2人のみならず、中井貴一や阿部寛ら豪華な出演者たちの生き生きとした演技が印象的だ。
人の死や死後の世界を扱いながら、温かな笑いあふれるコメディーに仕上げた三谷監督の手腕は鮮やかだ。多くの人々に元気を分けてくれるに違いない。(2011年11月24日・のだ)