マネーボール

野球とは何か　実話を映画化

今年の日本シリーズはホークスの日本一で幕を閉じたが、時を狙いすましたかのように野球映画が封切られた。

元選手で今はアスレチックスのGM(ゼネラルマネジャー)となっているビリー・ビーン(ブラッド・ピット)。チームは貧乏球団で、スター選手が引き抜かれ、苦しんでいた。そんな折、彼は分析に才能のあるピーター(ジョナ・ヒル)と出会う。そして独自のデータ分析による「マネーボール理論」で、低予算での強いチームづくりに乗り出していく。

大金で他球団の主力選手を引き抜き、シリーズ中に内紛を起こす日本の某老舗球団の上層部とはえらい違いである。知恵を絞り、目的のために信念を貫き通すビリー。チームが大記録の20連勝なるかのシーンはその意味でも感動的だ。

成功の陰では選手を首にしなければならない苦さも。野球とは何かを教えてくれる実話の映画化だ。監督はベネット・ミラー。(2011年12月8日・小野)