アマデウス
珠玉の音楽と重厚なドラマ
「なぜだ? なぜ神はかくも下劣な若造を選んだのだ?」。18世紀半ば、宮廷作曲家として活躍し、高い名声を博したアントニオ・サリエリ(F・マーリー・エイブラハム)。しかしヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(トム・ハルス)が現れたことでその人生は一変する。
軽薄で不道徳なモーツァルトはサリエリとは正反対の人物。ところが音楽に対しては桁違いの才能を持ち、作り出される曲はまるで神の言葉のようだった。
モーツァルトの才能を知れば知るほど、自分の凡庸さを思い知らされるサリエリ。深い苦しみと激しい嫉妬はやがて波乱の悲劇を引き起こしてしまう。
1984年の作品で監督はミロシュ・フォアマン。米アカデミー賞で作品賞など8部門を受賞した。「午前十時の映画祭」で上映。重厚な人間ドラマと珠玉の音楽は時代を超えて観客を魅了するだろう。(2011年3月3日・のだ)