ガール
頑張る女性を優しい視線で
広告代理店勤務の29歳独身、不動産会社勤務の34歳既婚、文具メーカー勤務の34歳独身、自動車メーカー勤務の36歳シングルマザー。彼女たちはイベントの企画をめぐってクライアントの堅物女性社員と対立し、女性に偏見を持つ年上の男性部下に怒り、年下のイケメン新入社員に心をときめかせ、仕事と育児の両立に頑張っている。映画は厳しい現実と戦いながら、精いっぱい生きている女性の等身大の姿を描き、観客に勇気と希望を与える。
原作は奥田英朗。監督は「神様のカルテ」「60歳のラブレター」で人間を優しい視線で描いた深川栄洋。今まさに旬の女優である香里奈、麻生久美子、吉瀬美智子、板谷由夏が共演している。
作品の魅力は頑張っている彼女たちの生き生きとした表情だろう。彼女たちの喜び、苦しみ、戸惑い、そして悩む姿を監督はうまくとらえている。逆に男性の存在感が薄いのは現代を反映しているのだろうか?(2012年6月14日・酒井)