フライトナイト　恐怖の夜

1985年のトム・ホランド監督による同名作のリメーク。ホランドの脚本でクレイグ・ギレスピーが監督している。

ラスベガス郊外で暮らすチャーリー(アントン・イェルチン)は平凡な高校生。ある日、隣の家にセクシーな男ジェリー(コリン・ファレル)が越してくる。その夜から近所の住人が次々と姿を消す。ジェリーはバンパイアで人々を襲っていたのだ。チャーリーは母親と恋人を魔の手から救えるのか。命がけの戦いが始まる。

旧作は独特のユーモアで今風に見せ切ったが、本作も遜色ない。コリン・ファレルは性的魅力にあふれたバンパイアを楽しげに演じている。弱気な高校生が吸血鬼退治で大人になっていく成長物語としてもしっかり仕上がっている。

変に続編を狙ったような終幕にしていない潔さもいい。冬場にいっそう寒さが募るが、それも悪くない気分にさせるホラー映画の快作である。(2012年1月19日・小野)