あなたへ

富山の刑務所で技官として勤務する倉島英二(高倉健)に、亡くなった妻・洋子(田中裕子)からの手紙が届く。そこには「故郷の海に散骨してほしい」と書かれていた。英二は洋子の真意を知るため、手製の改造キャンピングカーで彼女の故郷・九州へと向かう。

高倉健が6年ぶりにスクリーンに帰ってきた。それだけでわくわくする。今回は「鉄道員(ぽっぽや)」「ホタル」などでタッグを組んだ降旗康男監督との20本目の作品である。共演には田中裕子、ビートたけし、佐藤浩市、長塚京三のベテランに加えて草彅剛、綾瀬はるか、三浦貴大など豪華な顔ぶれがそろった。

高倉健は81歳。健さんの元気な姿を見るだけで満足という映画ファンも多いのではないだろうか?　映画も初めから高倉健ありきで作られているし、それぞれの共演者との見せ場が用意されているのもうれしい。昭和を代表する大スターに今後も多くの映画に出演してもらいたい。(2012年9月13日・酒井)