テッド

笑いと感動のファンタジー

テディベアの中身が中年のおっさん？　そのギャップが「テッド」の魅力だろう。

孤独な少年ジョンはクリスマスプレゼントのぬいぐるみに「永遠の友達になって」と祈りをこめる。奇跡は起きた。テディベアに魂が宿り、ジョンとテッドは親友の誓いを立てる。２７年後、テッドとふざけた生活を送るジョン（マーク・ウォールバーグ）に恋人ロリー（ミラ・クニス）はあきれ果て、自分とテッドとの選択を迫る。

愛くるしいテディベアがマリフアナを吸い、下品な言葉を吐きまくる。けれど、その愛嬌（あいきょう）のある動きと見た目に心をつかまれ、憎めない。画面狭しと飛びはね、動き回るテッドはとてもＣＧとは思えない。

優柔不断なダメ男に揺れる女心と、いつまでも愉快に過ごしたい男心が織り成す愛と友情のファンタジーは思わぬ笑いと感動を呼ぶ。監督、脚本、テッドの動き、声もセス・マクファーレンが担当。（2013年1月31日・杉尾久）