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シネマ1987online

つやのよる

男の過去の愛 揺れる女たち

恋人、夫、妻。愛した人の過去を意識したとき、心に起こる感情は日常にどのような波を起こすだろう? 直木賞作家・井上荒野の原作を「今度は愛妻家」の行定勲監督が映画化。

死の床にある艶(つや)という名の女。彼女は自分の欲望に忠実に生きてきた。彼女の思いに巻き込まれた男たちがいる。彼らは艶の「夫」と名乗る男(阿部寛)から彼女が危篤であると知らされる。男たちの日常に起きた波紋は彼らが今関わっている女たちをも揺さぶり始める。艶という女を通して自分が見たことのない男の顔を知った女たちは愛と嫉妬を繰り返し、男たちを試しながら愛の深さを測っていく。

愛する人の過去を垣間見た何組かのカップルや家族は愛の愚かさを知る。しかし全てを知り、受け入れて始まる愛もある。思い出は戻れないから美しい。でも大切な人と一緒につくる今や未来はきっともっとすてきに違いない。(2013年1月24日・手塚)   

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