E.T. 20周年アニバーサリー特別版
少年と宇宙人出会いと別れ
自転車に乗った少年が満月の輝く空を飛ぶ-。空想的で美しいその場面に観客は夢を重ねた。地球に1人取り残されてしまった宇宙人と彼を仲間のところへ帰そうとする子どもたちとの物語は世界的大ヒットとなった。
突然目の前に現れたET(地球外生命体)に驚いていた子どもたちだが、次第に心を通わせていく。そして追っ手の研究者たちから逃がそうと、ETを乗せ自転車で町を走りまわる。家と家の間を抜け、丘陵や傾斜のある道を縦横無尽に走る姿に、彼らが持つ未来への可能性を感じる。無事に宇宙船にたどり着いた彼らを待つのはETとの別れ。だが失うものがあり、また出会える新しい何かがあることを、ラストの少年の表情は物語る。
「20周年アニバーサリー特別版」は初公開の1982年から20年後、再編集されたもの。監督はスティーブン・スピルバーグ。(2013年1月3日・手塚)