ゼロ・ダーク・サーティ

テロとの戦い執念の追跡劇

米中央情報局（CIA）は、９・１１事件を起こしたアルカイダのリーダー、ウサマ・ビンラディンの追跡チームに、若い女性分析官マヤ（ジェシカ・チャステイン）を起用する。しかし巨額の予算を投入しても、捜査は進まない。世界各地でアルカイダのテロが繰り返され、マヤの同僚ジェシカ（ジェニファー・イーリー）もテロの犠牲になった。マヤはビンラディン追跡に全力を傾け、ついに彼が身を隠している場所をつきとめる。

２時間37分の長丁場だが、まったくだれることなくストーリーが展開する。十分に練られた脚本、大胆だがリアリティーを重視し、主人公マヤの微妙な心理を表現した演出が見事だ。

監督はアカデミー作品賞「ハート・ロッカー」のキャスリン・ビグロー、狂気にも似た執念でビンラディンを追うマヤを「ヘルプ～心がつなぐストーリー～」のジェシカ・チャステインが熱演している。（2013年3月14日・酒井）