42 世界を変えた男
やり返さない主人公に感銘
米大リーグで背番号42は全球団共通の永久欠番。そのユニホームを着ていた初の黒人選手ジャッキー・ロビンソンの伝記映画である。
1945年、ブルックリン・ドジャースのオーナー、ブランチ・リッキー(ハリソン・フォード)は周囲の反対を押し切り、黒人選手ジャッキー・ロビンソン(チャドウィック・ボーズマン)と契約する。2年後、彼は大リーグでデビューするが、相手チームだけではなく観客や審判、チームメイトからも中傷を受ける。ジャッキーはやり返さず何事にも耐え、試合で渾身のプレーを続ける。その姿が野球界と周りの人々の心をも変えていく。
成績で雑言を封じていくジャッキー。耐えて信念を持ちグラウンドを駆けた主人公の姿に胸が熱くなる。ボーズマンが主人公をしなやかに名演。監督は「ROCK YOU!」のブライアン・ヘルゲランド。時代色の再現も見事な秀作だ。(2013年11月21日・小野)