二流小説家 シリアリスト
米ミステリー、日本で映像化
日本の海外ミステリーランキングで1位を総なめにしたデイヴィッド・ゴードンの同名小説の映画化。本国アメリカに先んじて日本で翻案、映像化された。
売れない作家の赤羽(上川隆也)に、連続殺人犯で死刑囚の呉井(武田真治)から自分の告白本を書いてほしいと依頼が来る。赤羽は執筆のため3人の女性に取材を始めたが、訪れた先々で殺人事件が発生。手口は12年前に呉井が犯した事件と同じだった。真犯人は誰なのか、赤羽は無事に本を書き上げられるのか。
赤羽役の上川と呉井役の武田との丁々発止が面白い。4人が携わった脚本も原作からの変更点は納得がいく。派手さはないが過不足なく仕上がっている。ともすればストーリーの面白さに目を奪われ、うっかりしがちな「親子の絆」を強く打ち出したところも買える。見逃すのは惜しいミステリーの佳作である。監督は猪崎宣昭。(2013年12月12日・小野)