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シネマ1987online

終戦のエンペラー

人種を越えて再建の礎築く

1945年、ダグラス・マッカーサー元帥(トミー・リー・ジョーンズ)率いるGHQが日本に上陸した。戦前に来日経験のあるフェラーズ准将(マシュー・フォックス)はマッカーサーから天皇(片岡孝太郎)の戦争責任調査を命じられる。

この作品はプロデューサー奈良橋陽子が「陛下をお救いなさいまし 河井道とボナー・フェラーズ」(岡本嗣郎著)を基に製作した。終戦時の日本と、争いが絶えない現在の世界状況を重ね、文化や人種を越えて日本再建の礎を築いた人々を描いていく。監督は「真珠の耳飾りの少女」のピーター・ウェーバー。

最良の解決策は争いからは生まれない。私たちが戦後、他国民の命を奪うことなく、奪われることもなかったのは、恒久の平和を念願し、戦争放棄を定めた憲法の理念が日本人を支えたからだ。この作品に描かれた先人の思いを受け継ぎ、守ってきたものを顧みながら未来のため歩んでいけると信じたい。(2013年7月25日・手塚)

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