許されざる者
北海道舞台に名作リメーク
多くの幕末の志士を血祭りにあげ"人斬り十兵衛"と恐れられた釜田十兵衛(渡辺謙)は北海道のへき地で2人の子供と貧しいが、静かな生活を送っていた。そんな彼に戦友の馬場金吾(柄本明)が賞金稼ぎの話を持ちかける。十兵衛は1度はこの申し出を断るが、貧しさから子供たちを救うため金吾と行動を共にする。彼らの前に立ちはだかるのは絶対的な権力を持つ警察署長の大石一蔵(佐藤浩市)だった。
クリント・イーストウッドが監督・主演を務め、アカデミー作品賞を受賞した名作西部劇「許されざる者」(1992年)のリメークである。西部から明治初期の開拓地・北海道に舞台を移し、元の作品の良さを生かしながら、武士道のテイストを盛り込んで堂々たる大作に仕上げている。
監督は「フラガール」「悪人」の李相日。渡辺謙、柄本明、佐藤浩市らの名優が演技を競っており、非常に質が高く、映像の美しい作品となった。(2013年9月19日・酒井)