バルフィ!人生に唄えば
幸福感満たすインド映画の快作
アメリカをしのぐ映画産出国であるインド。昨年も2千本近くの映画が製作されたが、題材も多彩になった。本作はろうあの青年を主人公にした作品である。
1978年、コルカタにいるシュルティ(イリヤーナー・デクルーズ)のもとに、バルフィ(ランビール・カプール)が逮捕された知らせが届く。バルフィは耳も口も不自由だが優しい性格で、街中の人気者だった。6年前シュルティはバルフィと恋に落ちるが、母親の反対で裕福な男性と結婚する。別れたバルフィは資産家の孫で同じろうあのジルミル(プリヤンカー・チョープラー)と出会う。バルフィは重病の父親の手術費用のために彼女を誘拐しようとするが、思わぬ出来事が待ち受けていた。
ハンディのある男女が中心でも歌に踊りに楽しさいっぱい。健常者のほうが恋心を伝えるのに不自由ではと思うほど。見る者を幸福感で満たす快作だ。監督はアヌラーグ・バス。(2014年12月25日・小野)