偉大なる、しゅららぼん
奇想天外な話 心地よい笑い
原作は奇想天外な小説で知られる人気作家の万城目学。「果たしてこの小説を映像化できるのか?」と注目される中、水落豊監督は大人のファンタジーとして心地よく笑える愉快な作品に作り上げた。
琵琶湖のほとりのお城で暮らす日出家は、神から与えられた不思議な力を代々受け継いでいる。分家の息子、日出涼介は一族のおきてに従って15歳になると、修行のためお城で暮らすこととなる。本家の10代目、日出淡十郎と同じ高校へ入学するが、不思議な力を授けられたもう一つの棗(なつめ)家の息子、広海もまた同じ高校の生徒だったから話はややこしくなる。「偉大なるしゅららぼん」とはいったい何なのか?
涼介役の岡田将生と淡十郎役の濱田岳がユーモアのある演技でいい味を出している。ほかに深田恭子、貫地谷しおりも適役だ。キャストの良さが成功の鍵だったと言えるだろう。(2014年3月13日・林田)