劇場版 仮面ティーチャー
体罰是非問う熱血の娯楽作
体罰が全面禁止された近未来。学校の荒廃を是正するため、力による指導を許された仮面ティーチャーが誕生する。その1人、荒木剛太(藤ヶ谷太輔)は生徒と心で向き合う道を取っていた。荒木の姿に華空学院高校の不良たちも心を動かされていく。そんな時、教育省事務次官の差し金で学校の秩序をさらに強化すべく、羅門公平(遠藤憲一)が送り込まれる。羅門は荒木の恩師だった。指導という名の暴力で恐怖による秩序回復を狙う恩師に、荒木は心ならずも闘いを挑んでいく。
藤沢とおるの人気漫画を原作にしたテレビドラマの劇場版。序盤はストーリーのおさらいがあり、テレビのスペシャル版みたいだが、その後の展開は悪くない。教育現場での体罰の是非を問い、教師が自分と生徒を信じることが大事と伝える。つくり手の真顔が伺えるところもいい。熱血学園ものの楽しさがありながら、底に「重し」も据わる娯楽作だ。(2014年3月20日・小野)