アデル、ブルーは熱い色
同性愛テーマ 過激な性描写
第66回カンヌ国際映画祭で話題を呼び、最高賞のパルム・ドールが監督のほかに史上初めて主演女優2人に贈られた。俊英アブデラティフ・ケシシュの監督作品である。
教師志望の女子高生アデル(アデル・エグザルコプロス)は青い髪の画家エマ(レア・セドゥ)と運命的な出会いを果たす。ボーイフレンドとのデートで違和感を抱いたアデルはエマと激しく愛し合うようになる。だが時は流れ、2人の気持ちはすれ違い始める。
同性愛をテーマにした作品で過激な性描写が強烈な印象を残す。179分中わずか13分とは信じられないほどだ。「黄色い星の子供たち」のエグザルコプロスと「マリー・アントワネットに別れをつげて」のセドゥが体当たりの演技を見せる。
終盤の喫茶店の場面も忘れられない。愛し合っているのに一緒にいられない悲しみが胸に迫る。長尺を一瞬たりとも見飽きさせない愛の名作だ。(2014年8月28日・小野)