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シネマ1987online

青天の霹靂

劇団ひとりのマルチな才能

お笑いタレントでミリオンセラー「陰日向に咲く」の作者でもある劇団ひとりが映画監督に初挑戦した作品。自身の書き下ろし小説をもとにしている。

売れないマジシャンの春夫(大泉洋)は母に捨てられ、父とは絶縁状態だったが、ある日警察から父死亡の知らせが届く。好天の日、遺体発見現場の川べりに出掛けた春夫は「青天の霹靂」という感じで突然雷に撃たれ、気づけば40年前の浅草にタイムスリップしていた。スプーン曲げのマジックで人気者となった春夫は若き日の父・正太郎(劇団ひとり)と母・悦子(柴咲コウ)と出会う。そして父とコンビを組んで演芸をすることに。やがて春夫の出生の秘密が明らかになる。

笑いとユーモアで親子の情愛をけれんなく描き出している。むだゴマがなく、昭和48〜49年の頃を思わせるレトロな美術も見事だ。劇団ひとりのマルチな才能を映画でも思い知らされる秀作である。(2014年6月12日・小野)

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