キングスマン
スパイ映画を濃縮した傑作
1944年の中東で独立情報機関の男が仲間を救うために落命する。男の息子のエグジーは栄誉のメダルを授かり、その裏には困った時電話するよう番号が刻まれていた。17年後、青年となったエグジー(タロン・エガートン)はやんちゃをして警察に捕まるが、番号に電話するとメダルを授けたハリー(コリン・ファース)が現れる。ハリーはエグジーをスパイにスカウトし、アジトの高級スーツ店「キングスマン」へ連れて行く。エグジーはひとかどのスパイになり、悪党ヴァレンタイン(サミュエル・L・ジャクソン)の魔手から人々を救えるのか。
年長者が労働者階級の若者を一人前に育てるスパイ版「マイ・フェア・レディ」と言える作品。アクションもふんだんで、C・ファースほかマイケル・ケインら名優の演技も堪能できる。監督は「キック・アス」のマシュー・ヴォーン。スパイ映画の過去の名作の「うま味成分」も濃縮された傑作である。(2015年10月8日・小野)