バクマン。
漫画家の頂点目指す高校生
大場つぐみ・作、小畑健・画で人気を博したコミックの映画化である。
画力のある高校生、真城最高(佐藤健)と物語作りのうまい高木秋人(神木隆之介)。2人はコンビを組んで漫画家になり、「週刊少年ジャンプ」で一番を目指す。だが、2人の行手には作品に駄目出しをするジャンプ編集部やライバルたち、天才漫画家・新妻エイジ(染谷将太)らが待ち受けていた。2人はジャンプの頂点に立てるのか。
憧れの同級生にモテたい一心で2人の高校生が漫画家になるきっかけからして青春ドラマだ。ライバルたちとの交流には石ノ森章太郎らを輩出した「トキワ荘」の逸話もほうふつさせ、締め切りの迫った原稿の仕上げを仲間たちが手助けするシーンは心を打つ。「友情」「努力」「勝利」を柱にするジャンプの世界を具現化したような作品だ。監督は「モテキ」の大根仁。全力で何かをなし遂げようとすることの素晴らしさもよく伝わってくる快作だ。(2015年10月22日・小野)