ポプラの秋
父親の死から立ち直る少女
飛騨にあるポプラ荘に、ひと組の親子が引っ越してきた。父親を亡くしたばかりの8歳の千秋(本田望結)とその母親(大塚寧々)。父親を亡くした寂しさをぬぐいきれない千秋に、ポプラ荘の大家のおばあさん(中村玉緒)は「自分は亡くなった人に手紙を届けることができる」と話す。千秋は不思議に思いながらも、死んだ父への思いを手紙につづり、おばあさんに託す。
原作は湯本香樹実のロングセラー小説。テレビドラマ「家政婦のミタ」で人気を博し、フィギュアスケーターとしても注目される本田と、ベテラン女優・中村の主演で映画化した。村川絵梨、内藤剛志、藤田朋子らが脇を固めている。監督・脚本は「瀬戸内海賊物語」の大森研一。
飛騨高山の美しい自然が、少女の傷ついた心を温かく包みこんで、少女が立ち直っていく。映画に流れているゆったりした時間はとても気持ちが良く、見る者を幸せな気分にしてくれる。(2015年11月19日・酒井)