龍三と七人の子分たち
ヤクザを引退 老人たち活躍
ヤクザを引退して普通の老人になった龍三(藤竜也)はどうしてもヤクザの性分が抜けないでいた。ある日、龍三はオレオレ詐欺にだまされそうになる。調べてみると、暴走族あがりの西(安田顕)が若い連中を束ねて「京浜連合」を名乗り、詐欺や悪徳商法で荒稼ぎをしていた。見かねた龍三はわびしい老後を送るかつてのヤクザ仲間を集め、京浜連合を成敗すべく立ち上がった。
「ソナチネ」「アウトレイジ」の北野武監督が脚本と編集も手がけた最新作。孫のような世代の犯罪者たちの横暴に憤慨した元ヤクザの老人たちを描く任侠コメディーだ。老人問題やオレオレ詐欺を巧みに盛り込んでいる点はこれまでの北野作品には見られなかった。ベテラン俳優たちが個性を発揮して所狭しと暴れ回っている。北野監督も刑事役で出演しているが、彼も元ヤクザのジジイを演じてほしかったと思うのは私だけだろうか?(2015年5月14日・酒井)