100歳の華麗なる冒険
笑いと迫力に北欧映画の粋
スウェーデン映画界では異例の約10億円の製作費をかけた作品で第64回ベルリン国際映画祭に出品された。原作は世界40カ国で800万部を売り上げたベストセラー。
自分の誕生パーティーに100歳のアラン(ロバート・グスタフソン)は老人ホームの窓から逃げ出す。行く当てのないアランはたどり着いたバス停でひょんなことから大金の入ったスーツケースを預かり、そのままバスに乗り込んでしまう。しかし大金はギャングのものだったため犯罪組織に追われることになる。
100歳までのアランの奇想天外な人生と100歳からの新しい大冒険が織り成すハチャメチャなコメディー。ひょうひょうと逃げるアランとテンポの良いストーリー展開、迫力あるシーンが対照的で北欧コメディーの粋を感じさせる。監督は俳優としても活躍するフェリックス・ハーングレン。見終わって自分の老後が楽しみになってくる作品に仕上がった。(2015年1月22日・高橋)