KANO 1931海の向こうの甲子園
民族の壁越え 出場を目指す
松山商業学校野球部の監督を辞めた近藤兵太郎(永瀬正敏)は日本の統治下にあった台湾に渡り、嘉義農林学校野球部の監督を引き受ける。近藤は選手たちに「甲子園」を常に意識させ、個性に応じた指導を行う。さらに「打撃の漢人、脚力の台湾原住民、守備の日本人」という民族の壁を越えたチーム編成を行うことで嘉義農林の実力を上げる。選手たちも恋人との別れや家庭の事情などの困難を乗り越え、甲子園大会出場を目指していく。嘉義農林は1931年、台湾予選で優勝し、念願の甲子園出場を果たした。嘉義農林は台湾の人たちの期待に応えられるのか。
マー・ジーシアン監督は、この映画が初監督作品。日本人俳優と台湾人俳優が熱のこもった演技を見せている。史実をベースに作られているだけに、近藤のほか、当時の台湾の発展に尽くした技術者・八田與一らの日本人について知ることもできる。(2015年3月12日・金川)