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シネマ1987online

アリスのままで

若年性認知症 真摯な演出で

ニューヨークのコロンビア大学の言語学教授であるアリス(ジュリアン・ムーア)は50歳の誕生日を迎えた頃から講演中に言葉を忘れたり、ジョギングの途中で道に迷ったりするようになる。不安を覚えたアリスは神経科で検査を受け、若年性アルツハイマーと診断される。さらに子供たちに遺伝する可能性があることも判明する。

映画はアリスの不安と、現実に起きてくる認知障害を描いていく。アリスと家族はどのように立ち向かっていくのだろうか。

日本でも大きな問題であるアルツハイマー型認知症に、共同監督・脚色のリチャード・グラッツァーとウォッシュ・ウェストモアランドは極めて真摯に取り組んでいる。主演のムーアはこの作品でアカデミー主演女優賞を受賞した。

アルツハイマーは現代の医学では有効な治療法が確立されていない。自分の周りで起こるかもしれない問題として考えたい映画だ。(2015年7月9日・金川)

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