007 スペクター
最大の宿敵とボンドの戦い
ジェームズ・ボンドはメキシコシティで凶悪犯スキアラを追い詰めるが、英国秘密情報部(MI6)を職務停止になってしまう。スパイ不要論を掲げるC(アンドリュー・スコット)が国家安全保障局の新しいトップとなり、MI6を閉鎖しようとしていた。ボンドはQ(ベン・ウィショー)の協力でローマへ飛び、スキアラの未亡人ルチア(モニカ・ベルッチ)と接触、悪の組織スペクターの存在を突き止める。
ダニエル・クレイグがボンドを演じるシリーズの4作目(シリーズ通算24作目)。最大の宿敵スペクターを追って世界を駆け巡る。監督は前作「スカイフォール」に続いて「アメリカン・ビューティー」のサム・メンデス。気負いが見られた前作よりも、豪胆でダイナミックな演出が見ものだ。メキシコシティの「死者の日」、ローマ、オーストリア、モロッコと、凝った美しい映像も堪能できる。これ以上の出来栄えは望めないほど完成度が高い。(2016年1月7日・酒井)