マネー・ショート 華麗なる大逆転
マネー・ショート 華麗なる大逆転
マイケル・ルイスのノンフィクション「世紀の空売り」の映画化。
好景気の2005年、金融トレーダーのマイケル(クリスチャン・ベール)はサブプライム・ローンが数年内にデフォルト(債務不履行)に陥ると予測し、巨額の保険金を得られるCDSの契約を投資銀行と結ぶ。ヘッジファンド・マネジャーのマーク(スティーブ・カレル)や銀行員のジャレド(ライアン・ゴズリング)、伝説のトレーダーのベン(ブラッド・ピット)も金融危機を察知した。彼らは空売りを成功させ、巨万の富を得られるのか。
2008年のリーマン・ショックを予期した実在のトレーダーを演じる4人の俳優たちがいい。情報量の多い作品だが、展開がスピーディーで金融問題に知識がなくても楽しめる。監督と脚本はアダム・マッケイ。勝者の陰に失業者の増大がある苦い現実も忘れない。アカデミー賞脚色賞も納得の快作だ。(2016年3月17日・小野)