不屈の男 アンブロークン
信念で困難乗り越える
イタリア系移民のルイ・ザンペリーニ(ジャック・オコンネル)はすさんだ生活を送っていたが、兄の助言と指導を受け、陸上選手として活躍し始める。1936年のベルリンオリンピックには5000メートルの選手として参加し、次回の東京オリンピックの有望選手となる。
しかし第2次世界大戦が始まり、ザンペリーニも爆撃手として南太平洋に赴く。1943年、味方兵士の捜索を行っている時に、乗っていた飛行機のトラブルで洋上に不時着。47日間の漂流生活の後に、日本軍に捕らえられ、2年間にわたる捕虜としての生活が始まる。漂流と収容所生活の大きな困難に立ち向かう主人公の姿が見どころだ。
ザンペリーニの自伝をもとにした、女優アンジェリーナ・ジョリーの監督2作目の映画。主人公が「あきらめなければ、道はひらける」という信念でさまざまな困難や苦難を乗り越えていく姿には感動を覚える。戸惑いを感じるシーンもあるが、主人公の強さとともに戦争の悲惨さや生きることの難しさを実感する映画だ。
最後の長野オリンピック聖火リレーのシーンは、生きていることと、平和の素晴らしさを強く感じさせる。(2016年4月7日・金川)