スポットライト　世紀のスクープ

記者たちの努力と執念

2001年、マーティ・バロン（リーブ・シュレイバー）がマイアミからボストン・グローブ紙の編集局長に就任する。バロンはカトリック教会のある神父による児童の性的虐待事件を詳しく調査すべく、特集記事欄「スポットライト」を手掛ける４人の記者に取材を指示する。 デスクのウォルター・ロビンソンをリーダーとするチームは被害者や弁護士らへの綿密な取材を積み重ね、やがて大勢の神父が同様の罪を犯している事を突き止める。そしてカトリック教会がその事実を隠し続けている実態を探り当てた。

今年のアカデミー賞で作品賞と脚本賞に輝いた話題作。監督は「扉をたたく人」のトム・マッカーシー。昨年話題になった「バードマン　あるいは（無知がもたらす予期せぬ奇跡）」のマイケル・キートン、本作でアカデミー助演男優賞にノミネートされたマーク・ラファロやレイチェル・マクアダムスらが熱演している。

派手なカーアクションや銃撃戦もまったくなく、特殊効果や音楽を使った過剰にドラマチックな演出も施されていない。しかしそれによって、新聞記者たちの地道な努力と執念がクローズアップされ、よりリアルな演出となった。（2016年5月12日・酒井）