君の名は。

美しい映像と秀逸な音楽

東京に住む男子高校生立花瀧と山村に住む女子高生宮水三葉は互いのことを何も知らないままに突然、体が入れ替わる。この現象が何回か続く中で、２人はお互いの家族や生活の様子を理解し始める。しかし、入れ替わりはその意味さえ分からぬうちに、唐突に終わりを告げる。

三葉に会うために瀧は記憶に残っている三葉の村の様子を描き、同級生とバイト先の女性の先輩と一緒に三葉を探す旅に出る。一方、三葉も瀧に会うために東京へと出掛ける。２人は実際に会うことができるのか。２人の体が入れ替わったことには、どんな意味が隠されているのか。地球に千年ぶりに接近する彗星を背景に２人の運命が描かれていく。

脚本・監督は「秒速５センチメートル」や「言の葉の庭」など多くのアニメーションの名作を製作している新海誠。この作品は監督が意図的に「楽しい作品」になるように製作したという。夜空に展開する彗星など映像の美しさとロックバンドRADWIMPSの音楽効果が秀逸で、十分に楽しめる作品となっている。

主役の声の神木隆之介と上白石萌音が入れ替わった時の声の表現も含めて、うまく演じていて楽しさを際立たせる。（2016年9月1日・金川）