オデッセイ
リアルな映像 見る者を圧倒
火星の有人探査計画「アレス3」は火星で猛烈な砂嵐に見舞われる。嵐に巻き込まれた植物学者の宇宙飛行士マーク・ワトニー(マット・デイモン)は折れたアンテナの直撃を受けて吹き飛ばされ、行方不明になってしまう。リーダーのメリッサ・ルイス(ジェシカ・チャステイン)は他のクルーの命を優先し、ワトニーの捜索を断念して火星から脱出。しかしワトニーは奇跡的に命を取り留めていた。通信手段はなく、空気と水と食糧もわずかしかない危機的状況でワトニーは生き延びようとする。一方、ワトニーの生存を確認したNASAは救出ミッションを計画する。
傑作SF小説「火星の人」の映画化。監督はリドリー・スコット。十分な科学考証を駆使したリアリティーあふれる映像が見る者を圧倒する。ストーリー展開にご都合主義的な部分もあるが、主人公のポジティブで常にユーモアを忘れないキャラクターはいかにもアメリカ的だ。(2016年2月18日・酒井)