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シネマ1987online

LOGAN ローガン

SF仕立て 肝は西部劇

「X-MEN」シリーズのウルヴァリン(別名ローガン)を主人公にしたスピンオフの第3作で完結編。

2029年、ミュータントは絶滅の危機にひんし、ローガン(ヒュー・ジャックマン)も治癒能力を失いつつあった。そんな時、ある女性から少女ローラ(ダフネ・キーン)をノースダコタ州まで連れて行ってほしいと頼まれる。いったんは断るローガンだったが、ローラを連れ去ろうとするピアース(ボイド・ホルブルック)一党の襲撃に遭い、薬が切れると殺人的な電磁波を発する老人チャールズ・エグゼビア(パトリック・スチュワート)とともに旅に出る。一行は目的地にたどり着けるのか。そしてローラは何者なのか。

VFXは要所で使われるだけで、孤独なミュータントのドラマとして見せ切った。「3時10分、決断のとき」のジェームズ・マンゴールド監督らしく作品の肝は西部劇で、テレビで「シェーン」を見る場面が印象的だ。ローガンたちは道中、黒人一家の世話になる。水源を止める嫌がらせをする男たちと対決し、一家を助けるローガンの姿は「シェーン」のアラン・ラッドのよう。SF仕立てで家庭劇の要素もある傑作である。(2017年6月15日・小野)

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