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シネマ1987online

パトリオット・デイ

迫真の爆破テロ捜査

タイトルは米国マサチューセッツ州の祝日で「愛国者の日」のこと。2013年4月15日に起こったボストンマラソン爆破テロ事件を描いた作品である。

ボストン警察の巡査部長トミー(マーク・ウォールバーグ)は傷害事件の捜査中、足をくじいたが、ボストンマラソン当日には朝から警備に駆り出される。マラソンコースの沿道は50万の人出でにぎわっていた。次々と走者がゴールインする午後、トミーの背後で大爆発が起き、逃げ惑う人々と負傷者で現場は混乱のるつぼと化す。到着したFBI捜査官のリック(ケヴィン・ベーコン)はテロ事件と断定し捜査を始める。

現在は爆発は2回とわかっているが、まだ爆発があるかもしれないという現場の人々の恐怖や、戦争と見紛(まが)うほどすさまじい犯人たちとの銃撃戦。これらが臨場感たっぷりに描き出されて圧巻だ。

監督はピーター・バーグ。「ローン・サバイバー」「バーニング・オーシャン」に続きウォールバーグとの共同作業は3作目となるが相性はぴったり。ウォールバーグの足のけがは凶悪事件多発でアメリカの司法が負った病の象徴か。実話をもとにした作品でのバーグ監督の腕のさえを感じる秀作である。(2017年7月13日・小野)

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