パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊
アイデアの豊富な快作
大人気シリーズの第5弾で監督はノルウェー出身のヨアヒム・ローニングとエスペン・サンドベリ。
海賊との闘いで呪われたウィリアム・ターナー(オーランド・ブルーム)の息子ヘンリーは、父を呪いから解くためにジャック・スパロウ(ジョニー・デップ)を探そうとする。青年となったヘンリー(ブレントン・スウェイツ)は英国軍の船に乗っているとき、「魔の三角地帯」に迷い込み、生ける屍(しかばね)サラザール(ハビエル・バルデム)に襲われる。サラザールも長年恨みを抱くスパロウを探していた。街で強盗を働いたスパロウは斬首刑にされかけるが、ヘンリーと、カリーナ(カヤ・スコデラリオ)に救出される。スパロウは彼らとともに鍵となるポセイドンの槍を求めて大海原へ旅に出る。
ポセイドンの槍はヒッチコックの言う「マクガフィン」というやつで、本当はどうでもよろしい。金庫を銀行の建物ごと馬に引かせたり、斬首台が破壊されてスパロウがギロチンと一緒にくるくる回ったり。荒唐無稽だがアイデアの豊富さに感心する。ハリウッドの底力を見るようなエンターテインメントの快作だ。(2017年8月17日・小野)