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シネマ1987online

関ヶ原

迫力ある合戦場面魅力

 原作は司馬遼太郎の小説「関ヶ原」。豊臣秀吉の死後、政権奪取を狙い、さまざまな手段を使って武将たちを味方にしようと画策する徳川家康(役所広司)とそんな家康に反発し、豊臣政権の維持に努めようとする石田三成(岡田准一)。この2人に巻き込まれていきながら、自分の意思や家名のために動いていく多くの武将たち。家康と三成の思惑や策動を経て1600年9月15日、関ヶ原の決戦を迎える。

 監督・脚本は「日本のいちばん長い日」(2015年)の原田眞人。原作にある多くの武将たちのエピソードを整理し、石田三成と家臣の島左近(平岳大)を中心に描いている。これにより関ヶ原の決戦に挑んだ石田三成の心情と行動が理解しやすくなっている。さらに初芽(有村架純)の役割を原作と変え、家康と三成を影で支える忍びの働きを描くことで映画の面白さを高めている。

 岡田准一や役所広司、平岳大などの俳優の熱のこもった演技が素晴らしい。騎馬武者の疾走シーンや敵味方のぶつかり合い、兵士それぞれがやりでたたき合う合戦シーンにも迫力があり、映画の魅力になっている。約2時間半の上映時間が苦にならない佳作。(2017年8月31日・金川)

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