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シネマ1987online

沈黙 サイレンス

過酷な弾圧 神父苦悩

1966年に発表された遠藤周作原作の2度目の映画化。「タクシードライバー」「ディパーテッド」のマーティン・スコセッシが監督を務めた。

ロドリゴ神父(アンドリュー・ガーフィールド)とガルぺ神父(アダム・ドライバー)は1640年、日本へ布教に赴いた恩師のフェレイラ神父(リーアム・ニーソン)が棄教し、行方不明になったという知らせを聞く。2人はフェレイラを捜すためキリシタン弾圧の厳しい日本への潜入を計画。マカオで知り合ったキチジロー(窪塚洋介)の案内で長崎の海辺の村に上陸する。

そこには幕府のキリシタンへの厳しい弾圧の下で、神を信じぬこうとする教徒たちの姿があった。2人は幕府に捕らえられて棄教を迫られる。過酷な弾圧を受ける教徒に対する神父の役割とは何か、神はなぜ沈黙しているのか、2人は苦悩することになる。

幕府の追跡からの逃走シーンや弾圧の様子、奉行との宗教論争など引き込まれる場面が多い。3人の外国人俳優やイッセー尾形、浅野忠信ら日本人俳優の充実した演技で、優れた映画になった。スコセッシ監督の演出の意図は最後の場面に描かれている。(2017年1月26日・金川)

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