僕のワンダフル・ライフ

涙誘う飼い主への愛

　とにかく劇中に出てくる犬たちがかわいくて、かわいくて、愛犬家はメロメロになってしまうこと必至。ある日、少年イーサンに命を助けられた子犬のベイリー。大自然と優しい人たちに囲まれて大好きなイーサンと深い愛情で固く結ばれていく。けれど犬の命はあまりにも短い。イーサンにみとられながら一生を終えるベイリー。愛するイーサンに再び会いたいと願うベイリーはそこから５０年間に３回生まれ変わりを繰り返す。そして、ようやく年老いたイーサンにめぐり合うのだが…。

　ある時は警察犬として大活躍、ある時は孤独な女性に寄り添い彼女の幸せを見届け、３度目には庭の片隅につながれっぱなしのつらい半生を過ごす。飼い主によって犬の人生も大きく変わる。ベイリーは考える「僕の生きる意味ってなんだろう」。答えは感動のラストシーンで明かされる。

　監督は「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」「ギルバート・グレイプ」など身近な日常の中にある愛情と信頼、人間の絆を細やかに紡ぐ名匠ラッセ・ハルストレム。今作では表情豊かな犬たちを通して、飼い主への無償の愛とその絆を情感豊かにユーモアを交えて表現し涙を誘う。（2017年10月5日・杉尾久）