エルネスト
ゲバラと行動を共に
今年で没後50年を迎えたエルネスト・チェ・ゲバラ。そのゲバラからファーストネームのエルネストを戦士内での呼び名として与えられた日系人がいた。フレディ前村ウルタード、ボリビア出身の日系2世である。
映画はキューバ革命後の1959年にキューバ使節団の団長として日本を訪問し、その中で広島を訪れたゲバラのエピソードから始まる。62年のキューバに、25人のボリビア留学生の一人としてフレディ前村が医師を目指してやってくる。医学に真剣に取り組み、学生の中でも信頼を得たフレディ。だが、62年「キューバ危機」、64年「ボリビア軍事クーデター」が起こる。
母国ボリビアでの軍部による圧政を聞き、フレディはボリビア解放のために医師を断念、戦闘員となることを決意する。訓練を終え、ボリビアに出発する前に、フレディはゲバラから直接「エルネスト・メディコ」と名付けられ、ゲバラと行動を共にしていくが…。
「亡国のイージス」の阪本順治監督が脚本と演出も手がけ、自分の意志を貫いて生きたフレディの医学生時代のエピソードを中心に描いている。オダギリジョーがフレディを真摯に好演。キューバ人俳優の演技も見逃せない。(2017年10月12日・金川)