ザ・サークル
巨大なSNSの脅威
超巨大ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)企業「サークル」の創始者でカリスマ経営者のベイリー(トム・ハンクス)は、全人類がすべてを隠すことなくオープンにする完全な社会の実現を目標にしていた。「サークル」に採用され、奮闘する新人のメイ(エマ・ワトソン)は、カヤックで起こした事件をきっかけにベイリーの目にとまり、新しいサービス「シーチェンジ」のモデルケースに抜てきされる。
このプロジェクトは至るところに設置された超小型カメラにより、自らの24時間をすべて公開することだった。あっという間に1千万人を超えるフォロワーを獲得し、アイドル的存在となったメイだったが、思わぬ悲劇が待ち受けていた。
実写版「美女と野獣」のエマ・ワトソンと名優トム・ハンクスが共演し、巨大なSNSがもたらす脅威を描くサスペンス映画である。監督を「人生はローリングストーン」などのジェームズ・ポンソルトが務めている。
原作は全米で2013年に発表され、大ベストセラーになった。24時間すべてを世界中に公開することで注目されるヒロインを通して、SNSの抱える問題点をクリアに描き出している。(2017年11月16日・酒井)