オリエント急行殺人事件

文句なしの演出と演技

名探偵エルキュール・ポアロはイスタンブールでの休暇を切り上げ、急きょ、豪華寝台列車オリエント急行に乗車する。車中でアメリカ人の富豪ラチェットから、「脅迫を受けているから」と身辺警護を依頼されるが、断る。そのラチェットが何者かに殺害される。死体には多数の刺し傷があった。鉄道会社から調査を依頼されたポアロは、犯人は乗客の中にいると確信し、一人ひとりへの聞き込みを開始する。

原作はアガサ・クリスティーの代表作の一つに挙げられる傑作ミステリー。今回は「ヘンリー五世」「世にも憂鬱なハムレットたち」などのケネス・ブラナーが監督と主演を兼任し、さらにジョニー・デップ、ミシェル・ファイファー、デイジー・リドリー、ジュディ・デンチ、ペネロペ・クルスらが共演する豪華キャストとなっている。

これまでに何度もテレビドラマや映画になっているので、「またか」と高をくくっていたが、素晴らしい作品に出来上がっていて、正直驚いてしまった。監督の演出、映像、そして出演者の演技とすべてにわたって文句のつけようがない。特に、謎解きを終えたラストシーンのポアロの表情がなんともいえない。（2017年12月28日・酒井）