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シネマ1987online

北の桜守

「北の3部作」最終章

1945年5月、南樺太に住む江蓮(えづれ)家の庭には江蓮てつ(吉永小百合)が大切に育ててきた桜の花が咲く。江蓮家の人たちは桜の花に家族の思いを託した。8月、ソ連軍の侵攻を前に、てつは樺太に夫を残して2人の子どもと一緒に網走に避難する。

1971年、米国企業の社長として成功した次男の修二郎(堺雅人)は、15年ぶりに網走に住むてつを訪ねる。てつの年老いた様子を見た修二郎は妻と3人で札幌で暮らすことを決める。しかし成功した修二郎に迷惑を掛けたくない思いから、てつは1人で網走へ帰ろうとする。母を思う修二郎は母と一緒に旅をすることを決心。2人は北海道各地を訪ね、一緒に歩んできた終戦後の苦労や悲しみ、懐かしい人々との思い出を深めていく。旅の途中で入院したてつは突然姿を消す。2年後、満開の桜の元で再会した2人の思いは…。

「北の零年」「北のカナリアたち」に続く「北の3部作」の最終章として製作された。「おくりびと」の滝田洋二郎監督は舞台劇を取り入れ、当時の状況やてつの心情を描いている。主演の吉永小百合や堺雅人、佐藤浩市、岸部一徳などの好演で感動的な作品となった。(2018年03月15日・金川)

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