ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書
米政府に挑む記者たち
ベトナム戦争が泥沼化した1971年、アメリカ国内では反戦運動が盛り上がりを見せていた。国防総省はそんな中、ベトナム戦争について客観的に調査・分析した文書「ペンタゴン・ペーパーズ」を作成した。その存在を「ニューヨーク・タイムズ」が暴く。
ライバル紙である「ワシントン・ポスト」の発行人キャサリンと編集主幹のベンらは残りの文書を独自に入手し、全容を公表しようとする。しかし、ニクソン大統領があらゆる手段を用いて記事を差し止めようとしていた。
監督はスティーブン・スピルバーグ。メリル・ストリープとトム・ハンクスが共演した超話題作である。脚本を「スポットライト
世紀のスクープ」で第88回アカデミー脚本賞を受賞したジョシュ・シンガーが担当し、音楽はジョン・ウイリアムズと最高のスタッフがこの映画を作り上げている。
実在の人物をモデルに、都合の悪い事実をひた隠しする政府に対して一歩も引かない姿勢で挑んだジャーナリストたちの勇気を描くことによって、ジャーナリズムの在り方を示している。名作である。この春、ぜひとも見てほしい作品である。(2018年03月29日・酒井)