人生はシネマティック!
問題続出の映画製作
第2次世界大戦中のイギリス。ドイツ軍の猛攻に押され気味のイギリス政府は、ダンケルク海岸からの奇跡的な脱出に貢献した双子姉妹のエピソードを映画化し、国民の戦意高揚を図ろうとする。
情報省映画局特別顧問のバックリー(サム・クラフリン)が脚本家としてスカウトしたのは、気になる広告コピーを書いたカトリン(ジェマ・アータートン)だった。戦争で負傷した夫を支えるカトリンは映画を成功させるために全力を注ぐことを決意する。しかし彼女は脚本を書いたことはなく、映画製作に関わるのも初めてだった。
製作が始まると、脚本や内容に政府や軍部からの検閲や無理な要求が出される。撮影が始まっても、ベテラン俳優アンブローズ(ビル・ナイ)のわがままや素人を役者として使う問題まで出てきて、カトリンの脚本は二転三転させられる。ドイツ軍の空爆や続出する困難の中、カトリンは映画の完成を目指す。
「17歳の肖像」のロネ・シェルフィグ監督が、当時の映画製作の過程や戦時下の映画製作に関わる人たちの苦労と熱意を丁寧に表現している。主演のアータートンは映画製作の進行とともに動く主人公の人生を好演し、感動を呼ぶ。(2018年01月18日・金川)