1987、ある闘いの真実
韓国民主化闘争の実話
1987年1月、チョン・ドゥファン大統領率いる軍事政権下の韓国では圧政に反発する学生の民主化デモが激しくなっていた。南営洞警察のパク所長(キム・ユンソク)は北分子を目の敵にして取り調べを激化させた。ある日、取り調べを受けていたソウル大学の学生が死亡する。
パク所長は隠ぺいのため部下に遺体の火葬を命じるが、警察からの申請書の内容を不審に思ったチェ検事は上司の忠告を無視して司法解剖を強行し、拷問致死が裏付けられる。警察上層部は拷問を否定するも、東亜日報のユン記者によって死因が暴露される。警察はパク所長の部下2人の逮捕で事件の幕引きを図ろうとするが…。
韓国で実際に起きた大学生拷問致死事件の真相を、隠ぺいに奔走する警察関係者とその動きに疑問を抱いた検事、記者、看守、学生など事件に関わるさまざまな立場の人々を描いたドラマである。出演は「チェイサー」のキム・ユンソク、ハ・ジョンウ、ソル・ギョングらで、監督は「ファイ悪魔に育てられた少年」のチャン・ジュナンが務めている。
映画はドキュメンタリータッチで進んでいくため、とても緊迫感がある。また1本、韓国映画の傑作が誕生した。(2018年10月18日・酒井)