愛がなんだ
切実で切ない恋の行方
28歳の会社員・テルコは猫背でひょろひょろのマモルに出会い、恋に落ちた。その時からテルコの世界はマモル一色に染まり始める。会社の電話は取らないのに、マモルからの着信には秒速で対応し、どこにいようと電話1本で駆け付ける。そのせいで仕事に支障をきたし、会社をクビ寸前になる。しかしマモルはテルコのことが好きではなく、ただの都合のいい女でしかない。親友の葉子はそんな都合のいい女で良しとするテルコの恋愛観にあきれている。ある日、2人は急接近しテルコは有頂天になるが、突然マモルからの連絡が途絶えてしまう。
「八日目の蝉」「紙の月」の直木賞作家・角田光代の同名ベストセラーを「パンとバスと2度目のハツコイ」の今泉力哉監督が映画化。主演は「おじいちゃん、死んじゃったって。」の岸井ゆきのと「チワワちゃん」の成田凌。深川麻衣、若葉竜也、江口のりこが共演している。
邪険に扱われてもなお好きでいることをやめられないヒロインの切実で切ない恋の行方と、そんな彼女を取り巻く人物たちの恋愛模様を、愛情を込めて描いている。どうしても愛さずにはいられない主人公の気持ちが映像を通して伝わってくる。(2019年05月23日・酒井)