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シネマ1987online

ビューティフル・ボーイ

薬物依存と親子の絆

音楽ジャーナリストのデヴィッド(スティーヴ・カレル)は、息子のニック(ティモシー・シャラメ)と良好な親子関係を築き、ニックも才能豊かな若者に成長していると考えていた。だがニックは18歳の時に自分を変えようと薬物に手を出してしまう。デヴィッドが気づいた時には、ニックは薬物の常習者になりかけていた。

デヴィッドはニックと会話を増やしながら、自信を持たせて薬物をやめさせ、以前のようなニックに戻そうとする。やがてニックはデヴィッドの勧めもあり、薬物治療を受けるようになる。しかしニックは順調だった治療の場から逃げ、また薬物にはまっていく。デヴィッドがニックを探しだし、薬物をやめさせようとするが、ニックは逃げ出す。

監督のフェリックス・ヴァン・ヒュルーニンゲンは美しい情景や音楽を映像に取り入れながらも、ニックに薬物をやめさせようと悩むデヴィッドや、薬物への依存度が深まるニックの苦しむ姿を切実に表現している。

親子を演じた2人の俳優の熱演により、薬物が本人だけではなく家族も巻き込む恐ろしさと、親子関係が解決のすべてではないけれど、大切なことを教えてくれる素晴らしい作品だ。(2019年05月30日・金川)

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