トイ・ストーリー４

胸を打つ主人公の姿

子供のおもちゃたちの活躍を描く人気ＣＧアニメシリーズの第４弾。

新しい持ち主の少女ボニーのもとで人生を再スタートしたカウボーイ人形のウッディ。だがウッディはボニーから飽きられていた。幼稚園の体験入園の際、先割れスプーンで手作りしたフォーキーを遊び相手として大事にするほどだった。ある日ボニー一家とおもちゃたちはキャンピングカーで旅行に出掛けるが、途中でフォーキーが逃げ出し、ウッディは捜しに行く。

全く高価なものではなく、少女が自作し、おもちゃ同様に扱うフォーキーや、ウッディのボイス・ボックスを狙うが孤独を抱え込んでいる人形のギャビー・ギャビーなど新登場のキャラがいい。おもちゃたちの織りなすアクションシーンもアイデアに富み、ディズニーとピクサーの底力を感じさせられる。

ウッディは、大事な者を救うためには自分を犠牲にしてでも向き合っていく。国家にせよ個人にせよ、手前勝手な考えがまん延しつつある現在にいっそう胸を打つ。飽きられればそれまでのおもちゃという存在は、興味の移ろいやすい世界的状況を示してもいるよう。子供はもちろん、大人も楽しめる味わい深い一作だ。監督はジョシュ・クーリー。（2019年07月18日・小野）