ゴールデン・リバー

４俳優好演の西部劇

１８５１年、ゴールドラッシュにわくオレゴンで、イーライ（ジョン・Ｃ・ライリー）とチャーリー（ホアキン・フェニックス）は「シスターズ兄弟」と呼ばれ、提督の指示に従って殺し屋の仕事をしていた。

ある時、提督は連絡係のモリス（ジェイク・ギレンホール）と化学者のウォーム（リズ・アーメッド）に合流して、ウォームを殺すことを兄弟に命じる。殺し屋の仕事に意見の違いが深まってきている兄弟だったが、合流することは困難だった。モリスはウォームの理想を知り、彼を守るために、先へ先へと兄弟の追跡をかわしていく。長い追跡の中で兄弟もモリスたちもお互いを語り合うことで、それまでの生き方や未来について考える。サンフランシスコでようやく兄弟とモリスたちは出会い、物語は思いもよらぬ方向に進む。

監督は「預言者」のジャック・オーディアール。黄金や追跡という西部劇の要素を取り入れながら、４人のベテラン俳優の好演で人間の生き方についてしみじみと考えさせる味わい深い佳作となった。ベネチア国際映画祭銀獅子賞。（2019年08月29日・金川）